久しぶりに安子さんと奈留を立たせてみたわけだが。

やっぱいいわ、これ。更新停止してずいぶん経つのに、ちっとも飽きが来ない。
某一度クリアしたらそれっきりの超大作ゲームとかとは大違いだ。
これが「完成」しているっていうことなんだろう。何も足したり引いたりしなくても、いつまでも楽しめる。
もちろん、トークを追加する余地なんかはまだまだあるわけで、その意味ではまだ未完成だし、
まだまだ更新を続けて欲しかったという気持ちもある。けれど、今の時点でも「足りない」という気は
全くしない。またゲームで例えるなら、本当に良いゲームは追加パッチなど当てなくても、
(もちろん当てた方が良いのは確かだが)いつまでも楽しみ続けられるものだ。
この二体は正にそんなゴーストなのである。

ゴーストっていうのは、極一部のキャラクター性を必要としないものを除いては、
キャラが立っていないといけない。もっといえば、キャラが「生きて」いないといけない。
前も書いたような気がするけど。
キャラを立てる方法はいろいろあるけど、この二体が凄いのは、設定とか世界観とかを
殆ど持ち出すことなく、トークだけでこれほどまでにキャラを「生かして」しまってることだ。
最近はそうでもないが、かつてゴーストにいろんな設定とか世界観を持たせる事が流行った時があった。
それまで暗黙の了解だった「ゴースト達はゴースト界に住んでいる」というようなお約束を否定し、
独自の世界を作り上げることで、ゴースト間コミュや多数のゴーストが一同に会するような
二次創作が微妙にやりにくくなり、それを打破するためにあやくもたんが「サイバースフィア」つー概念を提唱したり、
・・・って話が脱線しちまったい。脱線って縁起悪いな。うるさいよ。
とにかく、設定を作るっていうのはもっとも安易なキャラ立ての方法なわけです。
もちろん設定重視を全否定してるわけじゃないし、設定重視ゴーストでも好きなのたくさんありますが。
ただ、安子さんとか奈留っていうのは、その正反対を行ってるわけよ。
キャラに背景や設定なんて(少なくとも表に出てくる範囲では)殆ど存在しなくて。
でも、立たせてトークを聞いているだけで、すぐにキャラを掴めてしまう。
しかもそのトークは殆どがただの日常会話。キャラ自身を語るようなものは無いといってもいい。
でも、そんな他愛ない会話を聞いているだけで、僕らには木村屋安子さんっていう女性が、
楠見奈留っていう女の子が、ギコが、ゆうかが、どんなキャラなのかということが自然に判ってしまう。
これは凄いことですよ。はっきりいって、僕の知る中ではこの領域に達しているゴーストは殆ど無い。
他にトークでキャラを語ろうと試みているデベロパもいるがどうしても会話が長くなったり
自分語りになってしまったりしがちだ。僕の知る限りでは唯一、ディヴィだけがこの二体に近い領域にいる。
大した機能があるわけでもなく、それほど長くもなく他愛ないトークのみで、キャラを「生かして」いる。
大袈裟な言い方をすれば、安子・奈留の後継者といってもいい。絵柄が水彩調なのも似てるし。
もっとも、ディヴィにはまだまだ更新して成長してもらいたいので、更新停止するところまで
後を継いで欲しくは無いんですがnar。